肝臓内科
肝臓内科

肝臓内科は、主に肝臓に生じる病気の診断・治療を行う専門診療科です。お酒の飲みすぎなどによって肝臓がダメージを受けることは広く知られていますが、実際には肝臓に問題が生じていても、なかなか自覚症状が現われず、病気が進行するまで見過ごされるケースがよくあります。定期的に肝臓内科を受診し、肝臓の異変を早めに見つけ、適切な治療に繋げるようにしましょう。
当院の肝臓内科では、日本肝臓学会の肝臓専門医である医師が、B型肝炎、C型肝炎などのウイルス性肝炎をはじめ、生活習慣病に起因する脂肪肝など、肝機能障害に関する診療を幅広く行っております。これまでの経験をもとに丁寧な診察を心がけておりますので、お気軽にご受診ください。
肝臓病の初期には症状がないことがめずらしくありません。早期発見、早期治療のために肝臓病のリスクがないかをチェックして、当てはまる方は受診をお勧めします。肝臓に関するお悩みなど、気軽にご相談ください。
肝臓は様々な酵素の働きによって代謝や解毒などの機能を果たしていますが、肝臓が障害を受けると、血液の成分が変化したり、酵素が血液中に漏れ出したりします。そこで、血液の成分を検査して、肝臓が正常に機能しているかを調べます。
ALT(GPT)
AST(GOT)
γ-GTP(γ‐GT)
ALP
アルブミン
総ビリルビン
肝炎ウイルスに感染しているかを調べる検査には、「HBs抗原」と「HCV抗体」があります。
腹部超音波検査では脂肪肝の有無などがわかります。
肝炎とは肝臓の炎症のことで、肝炎ウイルスの感染、アルコールの過剰摂取、肥満など、様々な原因で起こります。急性肝炎と慢性肝炎に分けられており、急性肝炎は6カ月以内に落ち着くものをいい、6カ月以上の期間持続する肝炎を慢性肝炎といいます。慢性肝炎で軽い肝炎が長期に続く場合、症状はあまり認めません。しかし10年、20年あるいはそれ以上続き、肝臓に線維(コラーゲンなど)が蓄積し、肝細胞が再生する力を失うと肝機能が低下してきます。こうして肝硬変に進行します。
慢性肝炎では皮膚のかゆみを伴うことがあります。炎症が強い場合には倦怠感を認めることがあります。急性肝炎で短期間に炎症が起こる場合は、発熱、のどの痛み、頭痛、体のだるさなど、かぜのような症状を認めることがあります。食欲低下、吐き気、腹痛を感じることもあります。また、血液中のビリルビン濃度の上昇により、黄疸が出現し、皮膚や白目の部分が黄色くなったり、尿が濃い茶色になったりすることがあります。皮膚に発疹がみられることもあります。
劇症肝炎(急性肝不全)は、肝臓の機能が急激に低下し、意識障害などの重篤な症状が現れます。全身の臓器に障害を起こしやすいため、肝臓に対する治療だけでなく、呼吸や循環などの全身的な管理が必要になります。
B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって起こります。血液感染(輸血や出産、刺青、針刺し事故など)や性交渉などによることもあります。出産後や乳児期に感染すると高率に慢性化し、肝硬変、肝がんへと進展する場合があります。症状としては全身のだるさ、食欲の低下、吐き気、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。
B型慢性肝炎では徐々に肝臓が破壊されていくため自覚症状が現れないことが多いといえます。成人で感染した場合はB型急性肝炎となり、一部は劇症化(重症の肝炎になり、肝不全により死に至る)することがありますが、多くは治癒します。B型肝炎に対してはインターフェロン治療や核酸アナログ製剤が有効であり、病態に応じて使用されています。
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によるもので、血液を介して感染します。感染しても肝炎は重症化せずに、急性肝炎としての自覚症状がない場合もあります。劇症化することはまれですが、感染後に約70%は慢性肝炎に移行するとされています。C型慢性肝炎では、肝臓で炎症が持続することにより、肝硬変に進行したり、肝がんができやすくなったりします。肝硬変や肝がんに進展する最も大きな要因といわれています。
C型肝炎では、かつては副作用の強いインターフェロン治療が積極的に行われていましたが、近年では副作用の少ない経口薬(DAA:直接作動型抗ウイルス薬)が登場し、ほとんどの患者様でウイルスを排除できるようになっています。
非アルコール性脂肪肝炎は、ほとんどお酒を飲まないにも関わらず、肝臓に脂肪性の炎症を引き起こす病気です。適切な治療を受けないと、徐々に進行して肝硬変や肝がんになりかねないのですが、目立った症状が出現せず、手遅れとなるケースもあります。主な原因は、肥満・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)、薬剤摂取などとされていますが、詳しいメカニズムはいまだに解明されていません。確定診断のためには、超音波やMRIなどの画像診断で脂肪量を測定したり、肝臓に針を刺して肝臓の組織や細胞の一部を採取する肝生検を行うことがあります。
非アルコール性脂肪肝炎の治療には何と言っても生活の改善が大切です。低エネルギーで栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れましょう。こうした生活改善によっても肝機能異常が治らない場合は、薬物療法が行われます。
自己免疫性肝炎は、肝細胞が徐々に破壊され、全身倦怠感や疲労感などが見られるようになる指定難病のひとつです。15年ほど前には人口1万人あたり罹患者が1人いるかどうかの疾患でしたが、高齢化の進展などを背景として、最近は1万人あたり2~3人に増えていると言われています。もともと中年女性に比較的多く見られたのですが、高齢男性で発症するケースもあります。
この病気の原因は明らかになっていませんが、自己免疫の関与が示唆されています。そのため、治療にあたっては、まず副腎皮質ステロイドを内服します。これにより、一般的には肝機能の検査値が改善します。但し、服用を完全に中止すると自己免疫性肝炎が再び増悪しかねないため、医師の処方に従い、適切にお薬を飲むようにしましょう。
原発性胆汁性胆管炎は、胆汁の流れが滞って胆管・胆嚢にうまく流れなくなり、肝臓の細胞が破壊されたり硬くなってしまう慢性の病気(指定難病)です。人口1万人あたりの罹患者は概ね2人弱ですが、実際にはこれよりも多いと見られています。原因に関しては、よく分かっていないのですが、自己免疫反応によるものだと想定されています。
この病気になっても、初期段階では目立った自覚症状はありません。しかし、徐々に皮膚のかゆみが起こったり、黄疸が見られたりします。さらに進行すると、胃食道静脈瘤や肝臓がん、肝硬変などを併発することもあります。
治療にあたっては、確立した根治的治療法がないため、対症療法が中心となります。免疫反応による炎症を抑えたり、肝硬変へ移行させないための薬物療法を行います。
中性脂肪が肝臓に多く蓄積した状態となるのが脂肪肝です。過食や運動不足、飲酒などが原因としてよく知られています。健康診断などで指摘されることも多い病気ですが、脂肪肝だけで症状が現れることはほとんどありません。
飲酒しない人の脂肪肝を非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びますが、この中に肝炎が持続し、徐々に線維化が進行する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)という病態があることが分かってきました。NASHでは、肝炎を改善しない限り、肝硬変や肝がんに進行していくとされています。肥満や生活習慣病との関連性が強いことから、生活習慣を改善することが有効です。診断には肝生検という肝臓の組織を採取して調べる検査があります。
薬剤性肝障害は、医療機関で処方された薬やドラッグストアで購入できる薬、サプリメント、漢方薬などが原因となり起こる肝機能障害です。中毒性と特異体質性に分類されています。血液検査の結果で判明することが多く、症状としては体のだるさ、食欲低下、吐き気、嘔吐、黄疸、褐色尿などを認めることがあります。
肝炎が長期間続くと肝細胞の破壊と再生が反復されて肝臓に線維組織が溜まってきます。この状態を肝臓の線維化といい、線維化が進行した状態が肝硬変という病気です。
血液検査ではアルブミンが低下したり、血小板数の減少がみられたりします。肝硬変では様々な症状がみられ、とくに肝臓の働きを十分に保てなくなった非代償性肝硬変では黄疸、肝性脳症、腹水、浮腫などがみられます。また、食道静脈瘤をはじめとする色々な合併症を伴いやすくなります。
肝がんは、肝臓の細胞ががん化する「原発性肝がん」と、他臓器で発生したがんが肝臓に転移する「転移性肝がん」に分類されます。
肝細胞がんは慢性肝炎や肝硬変を背景に発生することがほとんどで、それらの早期の治療や進展抑制が非常に重要になってきます。肝機能低下による症状がみられるため、肝硬変などにみられる合併症(症状)があらわれます。病状に応じて、外科的切除、ラジオ波焼灼療法、肝動脈化学塞栓療法、抗がん剤(分子標的薬)、放射線照射など、様々な治療法が選択されます。
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