肝臓の病気|板橋駅前さとう消化器・内視鏡クリニック|板橋駅から近くの胃内視鏡・大腸内視鏡検査
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、症状が現れにくい臓器です。肝臓は糖・脂質・タンパク質の代謝、胆汁の生成、解毒など300以上の働きを担っており、全身の健康に深く関係しています。しかし、肝臓は多少のダメージでは症状を出さないため、気付いた時には進行しているケースが少なくありません。
健康診断でAST・ALT・γ-GTPなどの肝機能異常、脂肪肝の指摘を受けた場合は、早めに専門医へ相談することで重症化を防げます。
当院では、肝臓専門医がエコー検査・採血・生活背景の聞き取りを組み合わせて総合的に評価し、原因ごとに最適な治療方針をご提案します。
B型肝炎(HBV)
B型肝炎はB型肝炎ウイルスに感染することで起こります。母子感染や血液を介した感染が主な原因ですが、近年はワクチン普及により新規感染は減少しています。
それでも、一度感染すると慢性肝炎→肝硬変→肝がんへ進行するリスクがあるため、定期的な検査が欠かせません。
主な特徴
- 無症状のまま慢性肝炎として長期経過するケースが多い
- ウイルス量や肝機能検査値により治療開始のタイミングを判断
- 妊娠中の管理も重要(母子感染予防が必要)
治療
核酸アナログ製剤(テノホビル、エンテカビルなど)を用い、ウイルスの増殖を抑えて肝炎の進行を防ぎます。治療中は定期的な採血・エコーで肝がんの早期発見を行います。
C型肝炎(HCV)
C型肝炎は血液を介した感染が主で、長期間気付かないまま進行することが多い病気です。かつては治療が難しく副作用も強かったのですが、現在はDAA(直接作用型抗ウイルス薬)の登場により、飲み薬のみでウイルス排除が可能になりました。
特徴
- 自覚症状がほぼないため健診で初めて指摘される
- 放置すると高確率で肝硬変や肝がんに進行
- 早期治療で予後は大きく改善
治療
DAAを1日1回、8〜12週間服用するだけの治療が主流で、治療成功率は95%以上と非常に高い効果が期待されます。副作用も少なく、社会生活を続けながら治療が可能です。
アルコール性脂肪肝炎(ASH)
過度な飲酒により肝臓に脂肪がたまり、さらに炎症が起きた状態がアルコール性脂肪肝炎です。飲酒を続けると肝臓の線維化が進み、最終的に肝硬変に至る可能性があります。
特徴
- AST・ALTの上昇、γ-GTPが高値になりやすい
- 放置すると脂肪肝→脂肪肝炎→線維化→肝硬変へ進行
- 生活習慣・飲酒習慣の見直しが治療の中心
治療
もっとも重要なのは禁酒です。必要に応じて栄養指導、ビタミン補充、合併症管理を行いながら肝臓の負担を減らします。禁酒により肝機能が改善する例が多くみられます。
自己免疫性肝炎(AIH)
免疫が誤って自分の肝細胞を攻撃することで起こる慢性肝炎です。中年以降の女性に多く、進行すると肝硬変に至ることがあります。
特徴
- 慢性的な肝機能異常(AST・ALTの上昇)
- 抗核抗体、IgG高値が診断の手がかり
- 増悪・寛解を繰り返す場合がある
治療
ステロイド(プレドニゾロン)による炎症抑制が基本治療です。免疫抑制薬を併用することもあります。治療の継続性と定期フォローが予後改善に重要です。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)
自己免疫が関与すると考えられている慢性疾患で、胆汁の流れ道である胆管が徐々に障害され、肝臓に負担がかかる病気です。かゆみ、倦怠感など日常生活の質(QOL)に影響する症状が出ることがあります。
特徴
- 中高年女性に多い
- ALP・γ-GTP上昇が特徴的
- 放置で胆汁うっ滞→肝硬変へ進行
治療
ウルソデオキシコール酸(UDCA)を第一選択薬として用います。反応が不十分な場合はベザフィブラート併用などで進行抑制を図ります。かゆみに対する治療も併行して行います。
脂肪肝(MASLD:代謝異常関連脂肪性肝疾患)
肥満、運動不足、糖尿病、脂質異常症などが原因で肝臓に脂肪が蓄積した状態です。日本人に急増しており、健診で最も多く指摘される肝疾患となっています。
特徴
- 多くは無症状
- 超音波検査で「脂肪の白濁」として確認可能
- 一部は炎症を伴うMASH(代謝異常関連脂肪性肝炎)に進展し、肝硬変へ進むことも
治療
体重の5~10%減量で脂肪肝が改善することが分かっています。食事療法、運動療法に加え、糖尿病や脂質異常症の治療も肝臓の改善につながります。
薬剤性肝障害
薬やサプリメント、健康食品、漢方薬が原因で肝臓に障害を起こす病気です。近年はサプリメント関連の報告が増えています。
特徴
- 内服開始から数週間~数カ月で肝機能異常が発生
- 倦怠感、黄疸、尿の色が濃くなるなどがみられる
- 血液検査や薬歴の確認が診断の鍵
治療
原因となる薬剤の中止が最優先。重症例では入院治療や肝庇護薬の投与が必要なこともあります。再発防止のため、薬剤の選択や服用管理も重要です。
肝硬変
長年の炎症により肝臓が線維化し、硬く変化した状態です。肝臓の働きが低下し、合併症が起こりやすくなります。
特徴
- 食道静脈瘤、腹水、浮腫、黄疸など多彩な症状
- 肝がんのリスクが高く、定期的な画像検査が必須
- 原因の多くは肝炎ウイルス、アルコール、脂肪肝
治療
原因病態のコントロール(ウイルス治療、禁酒、生活改善など)が基本。
合併症に応じて利尿剤、内視鏡治療、栄養療法などを組み合わせます。
肝がん(肝細胞がん)
肝硬変やB型・C型肝炎を背景に発生することが多いがんで、日本では主要ながんの一つです。早期は症状がほとんどないため、リスクのある方は定期検査が非常に重要です。
特徴
- 超音波検査、CT、MRIで診断
- AFP、PIVKA-IIなどの腫瘍マーカーも参考
- 進行度により治療が大きく変わる
治療
手術、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)、分子標的薬、免疫療法など、最新の治療を組み合わせて行います。