十二指腸がん
十二指腸がん

十二指腸がんとは、小腸の最初の部分である「十二指腸」に発生する悪性腫瘍のことを指します。
十二指腸は、胃と小腸(空腸)をつなぐ全長約25cmの管状の臓器で、胆汁や膵液が流れ込み、食べ物の消化を助ける非常に重要な役割を担っています。
発生頻度はまれで、消化管がん全体の中でもごく一部を占めます。初期段階ではほとんど症状がないため、健康診断や内視鏡検査(胃カメラ)で偶然見つかるケースも少なくありません。
一方で進行すると、食べ物の通過障害や黄疸、体重減少などの症状が現れ、生活に支障をきたすこともあります。
十二指腸がんにはいくつかのタイプがあり、最も多いのが「腺がん」です。その他に「カルチノイド腫瘍」「GIST(消化管間質腫瘍)」などがあり、特に胆管や膵管が合流する「ファーター乳頭部」に発生するがん(乳頭部がん)は、膵臓や胆道に関わる複雑な構造のため、高度な診断・治療が求められます。
十二指腸がんのはっきりとした原因はまだ十分に解明されていませんが、以下のような因子が関係していると考えられています。
家族性大腸腺腫症(FAP)などの遺伝性疾患を持つ方は、十二指腸がんを発症するリスクが高いことが知られています。
十二指腸潰瘍、胆汁の逆流、長期的な粘膜への炎症刺激が発がんの引き金になることがあります。
高脂肪食、喫煙、過度の飲酒は消化管全体のがんリスクを高めるとされており、十二指腸がんにも関連が指摘されています。
中高年以降に多く見られ、年齢とともに発症率が上昇します。
十二指腸がんの初期には、ほとんど自覚症状がありません。進行すると次のような症状が見られることがあります。
これらの症状は胃潰瘍や膵臓疾患など他の病気でもみられるため、「いつもと違う」と感じたら、早めの受診が大切です。
十二指腸がんを確定するためには、複数の検査を組み合わせて行います。
胃から十二指腸までを直接観察し、粘膜の異常を確認します。病変が見つかった場合は組織を採取して病理検査を行い、がん細胞の有無を調べます。早期発見に最も有効な検査です。
がんの広がり、周囲臓器(膵臓・胆管など)への浸潤、リンパ節や遠隔転移の有無を詳しく評価します。
内視鏡の先端に超音波装置を搭載し、がんの深さや周囲組織への広がりを高精度に確認します。
CEA、CA19-9などの値を測定し、進行度や治療後の経過観察に利用します。
治療は、がんの進行度・発生部位・全身状態を総合的に判断して決定します。
がんが粘膜内にとどまる早期段階では、内視鏡を用いて病変を切除する「内視鏡的粘膜切除術(EMR)」や「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」が行われます。
身体への負担が少なく、入院期間も短く済むことが多い治療法です。
がんが粘膜下層より深く進行している場合は、手術が必要です。
腫瘍の位置や広がりに応じて、十二指腸の一部を切除する場合や、膵臓・胆管も含めて切除する「膵頭十二指腸切除術」を行います。
この手術は高度な技術を要するため、当院では必要に応じて信頼できる専門病院への紹介を行っています。
手術後の再発予防、または手術が難しい進行がんに対して行われます。
膵臓がんや胆道がんで使用される抗がん剤と同様の治療が選択されることもあります。
症状の緩和や再発抑制を目的に行う場合があります。手術や抗がん剤治療と組み合わせて行うことで、より高い治療効果が期待できます。
十二指腸がんは非常にまれな疾患ですが、早期発見できれば根治が期待できる病気です。
早期発見のために、次のような点を心がけましょう。
特に、胃がんや大腸がんの既往がある方、家族に消化管がんの方がいる場合は、より注意が必要です。
当院では、経験豊富な医師による上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)を実施しています。
細径スコープを使用し、苦痛の少ない検査を心がけています。
検査で異常が見つかった場合は、迅速に提携病院と連携し、より精密な検査や治療へとスムーズにつなげます。
「胃の調子が悪い」「なんとなく食欲がない」「最近体重が減った」など、気になる症状がある方は早めにご相談ください。
早期発見・早期治療が、健康を守る最も確実な方法です。
中高年の男性に多く、遺伝的要因や生活習慣(喫煙・飲酒・高脂肪食)などが関係していると考えられています。
胃がんとは異なり、十二指腸がんとピロリ菌の明確な関連は確認されていません。ただし、慢性的な炎症がある方は注意が必要です。
早期で発見された場合は、内視鏡による治療で根治が期待できます。進行がんであっても、手術・抗がん剤・放射線などを組み合わせることで、長期生存が可能なケースもあります。
胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が最も有効です。必要に応じてCTやMRIなどを追加し、がんの広がりを詳しく調べます。
規則正しい食生活、禁煙、節酒、ストレスをためない生活が基本です。症状がなくても、定期的な内視鏡検査を受けて早期発見を目指しましょう。
十二指腸がんは、早期に見つけることが何よりも大切です。
「胃の違和感くらい…」と放置せず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた丁寧な検査・診療を行っております。
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